【S2000】ムーンロック・メタリックという謎の色

コラム

S2000には実はさまざまなボディカラーが存在するが、その中の1つ「ムーンロック・メタリック」という色のお話。

驚愕のカラーバリエーション

S2000初期型のAP1-100発売当初は赤、白、黄、黒、紺、シルバーというシンプルな6色展開だったS2000も、型式が変わるごとにボディカラーが増加していき、限定色を除くとピーク時には何と13色ものカラーが存在していた。

上記に加え、さらには幌や内装色も数パターンから選択できたため、当時新車で購入した人は色を決めるだけで一苦労だった事であろう。(楽しかっただろう、とも言える)
スポーツカー、それも兄弟車や派生モデルのない単発の車種としてはまさに驚愕のカラーバリエーションなのであった。

このあたりの詳しい話は別記事に譲るとして、さて本題の「ムーンロック・メタリック」である。

初登場時

ムーンロック・メタリック(以下、本色)は、世代的には4世代目にあたるAP1-130型で初めて登場している。(ちなみにその時にはカタログカラーとなっている)
この型式から前後バンパーや灯火類の意匠が大きく変わり、見た目がより洗練されたイメージとなった。
そしてボディカラーについては、本色含め計13色展開となっている。
そして本色は、これ以降最終型のAP2-110型まで採用され続ける、息の長いカラーとなった。
実際街中でも良く見かけたので、人気カラーであったと想像できる。

どんな色?

さて本色は、一体どんな色なのか?

結論から言うと、一言では言い表せない色なのである。

まず、名前からどんな色なのか想像できないところが、謎である。

実は筆者はこの色のS2000(実車)を所有していたのだが、元オーナーからしても、どんな色か簡単に表現できない、非常に難しい色であった。
強いて言えば、「ぱっと見は濃いグレーメタリックに近い色で、光の加減によっては淡いパープルのように見える色」といったところか。

参考までに、本記事内の写真はS2000のカタログからの写真だが、実は全てムーンロック・メタリックのS2000である。貴方はこれらが全て同じ色に見えるだろうか?

ホビーにおける「ムーンロック・メタリック」

そしてこの表現の難しさが、ミニカーメーカーにとっても悩みの種のようである。
(いや、悩んでなどいないかも知れないが)

筆者が知る限りでは、S2000のミニカーでカラーが「ムーンロック・メタリック」と明記されているものについてはもれなく「単なるガンメタ」で表現されている。

あの、アイドロンでおなじみMake Upのミニカーでさえも、である。

さて、これはどうしたものか・・・やはりミニカーでこの色を表現するのは無理なのか、本当にガンメタにしか見えていないのか・・・

筆者としては、ぜひともプラモかミニカーで「これこれ、これがムーンロック・メタリックだよね」という色に出会いたいものである。

まあプラモであれば、自分で調色して理想の色を作る事が出来るのだが、今の筆者には本色を再現できる技術も知識もないところが残念である。

さいごに

と、色々書いてきたが、今の筆者としては自分で納得のいく「ムーンロック・メタリックのS2000」をプラモで再現する事が夢である。

そのために日々、色の勉強と調色修行に励んでいる。

そして、このような難しくて美しい色を生み出し、S2000に採用してくれたホンダに感謝している。

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