【作例紹介】タミヤ1/24 ユーノスロードスター

プラモデル

タミヤから発売されている、1/24スケールモデル「ユーノスロードスター」の作例を紹介する。

はじめに

筆者にはモデラー仲間・ミニカーコレクター仲間であるMT氏という友人がいる。

彼のプラモ製作の腕前は、出戻りモデラーの筆者など足元にも及ばないハイレベルなのだが、その彼に筆者所有の本キットを手渡し「完成はいつでも良いから、ぜひ作って欲しい」とお願いしたのが十数年前。

そしてこの度、めでたく納車となったのでここに紹介したいと思う。

まずは一周

まずはぐるりと一回り。

ポイントとしては、当時(20年近く前)筆者が所有していた実車の仕様「ガンメタのボディカラー+RSワタナベホイール」で作製されている。
なお、ナンバーについても筆者の愛車と同じものを精密に再現してくれたのだが、こちらは残念ながら公開できないため画像編集で隠してある事をご容赦願いたい。

特徴的なガンメタのボディカラーは当時の筆者のこだわりで、赤や青、白、黄色といった明るいボディカラーが中心だったロードスターに、「もっと渋い色があってもいいんじゃないか」との理由で、いわゆる「R32スカイライン GT-Rのガンメタ」にオールペンしたという、若気の至り的な仕様となっている。

(ちなみに、当時は苦手だった赤や青のボディカラーだが、今なら喜んで乗ると思う)

見どころ・ポイント

フロント周り

R32 GT-Rのガンメタをキットで再現するにあたっては、かなり苦労したとの事。
クルマ好きには割とメジャーな色ではあるが、模型的には難しいだろうというのは確かに予想がつく。
最終的にはガンダムカラーのMSファントムグレーにパールを吹いて仕上げている。
(メタリックではなくパールというところも、氏のこだわりのポイントである)

ユーノスのエンブレムはキットではデカールのみとなっているが、本作では丸く打ち抜いたプラ板を貼り付けて立体感を表現している。

フロントのコンビランプは、ちょうど真ん中のウインカーの部分にダボが付いているので、そのままではオレンジの塗装が行いにくい。
そのためダボはカットして塗装している。

ナンバープレートについては、通常はバンパー中央に取り付けられているのだが、筆者のクルマはこのようにバンパー横に斜めに取り付けられていた。
この取り付け位置・角度についても忠実に再現されている。

また、サイドの反射板については、ネジの部分まできちんと塗り分けられている。

そして、本作例で1,2を争うこだわりポイントが、このフォグランプ。
キットで再現されていないこの部分を、いかに再現するか?
ちょうど良いサイズ・形状のパーツを探すのに非常に苦労したとの事で、まさに山あり谷あり、試行錯誤の連続だった模様。
素材についてはプラモに拘ることなく、様々な方面から探したが、なかなか良いものが見つからず・・・
もう無理かと諦めかけていたところ、たまたま氏の所有するジャンクパーツの中にそれっぽい形状のパーツを発見! ・・・トヨタ86のパーツであったのだが、これが見事にハマり、まるでキット標準パーツであるかのように自然な仕上がりになっている。

ホイール

ホイールは前述の通り、RSワタナベの14インチを装着。
このホイールについても、なかなか合うものが見つからずかなり試行錯誤して頂いたようで、最終的にはHONDAビートのカスタム版に落ち着いている。
ちなみにタイヤはキットのものをそのまま使用。
車高もそのまま、との事。
結果、見ての通りこれ以上ないベストマッチングとなっている。

リア廻り

まず目を引くのが「Roadster」と「EUNOS」のエンブレム。
キットではボディに直接デカールを貼るのみだが、本作では0.3mmのプラ板を加工しエンブレムを製作、その上にデカールを貼る事により実車さながらの仕上がりになっている。

テールランプは全体的にスモークがかっており、ウインカーのオレンジ部分がぼんやりした感じになっているのだが、この部分も見事に再現されている。

リアサイドの反射板も、フロント同様ネジの部分も色分けされている。

内装

オープンカーであるが故に、内装も気合のこもった仕上がりになっている。
全てブラック塗装だが、シートはつや消し、その他は半ツヤで塗装している。
また、エアコンの赤青はシール、ハザードスイッチの赤は塗装。
サンバイザーはキットでは省略されているため、プラ板を適度な大きさにカットして再現されている。
写真では見えなくて残念だが、フロアマットは本物のスウェード材をちょうど良い大きさに切り抜いて使用している。

通常、シートの裏に隠れているシートベルトについても、かなりこだわった作りになっている。
キットでは省略されてしまっているが、こちらは3Dプリンタで作られた市販パーツを採用、チラリと見えるバックルがかなり本格的な雰囲気を醸し出している。

その他の部分+下廻り

ワイパーについてもこだわりが見えるポイント。
キットでは一体型のチープな作りになっているが、本作ではブレード部分を市販の別パーツで作製する事により、より実車に近い雰囲気となっている。

特徴的なドアノブはガンダムカラーのメッキシルバーで塗装。
MT氏曰く、このメッキシルバーは汎用的でカーモデルでもかなり使えるとの事。

リアデッキプレートもメッキシルバーで塗装。
また、車体のスミ入れについては、ブラックで施されている。

最後に下廻り。
通常見えない部分もきちんと塗装されており、抜かりのない仕上がりとなっている。

さいごに

以上、正直今回だけでは紹介しきれないほど、本作はこだわりの詰まった力作になっている。
機会があれば、第二弾として詳細なレビューを載せたいと思っている。

余談になるが、ガンメタの塗装については現在ではかなり再現しやすくなっているようで、例えば「GT-Rのガンメタ」や「S13のグリーン」といったその車種専用の塗料が発売されている。
それらを使えば、もっと簡単に実車に近い色を再現出来るのでは、との事である。

最後に、貴重な時間を使ってこれほどの力作を生み出してくれたMT氏に、多大なる感謝と敬意を込めて、このレビューの締めとしたい。

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